私の入学した大学にはアメリカ留学のカリキュラムがあり、それには少なくともTOEFL iBTスコアの71点が必要とのことでした。TOEFLと聞いても全くピンとこないことに加え、推薦で大学に入ったため英語の勉強は殆どしていません。この時の私は事の重大さに気付いておらず、何とかなると思っていました。
秋谷アカデミーには5月ごろ入塾しましたが、そのときは問題を解くことは愚か、一題700字程度の文章を理解するのにも1時間かかってしまい、単語量を増やすために暗記した英単語も、少し期間が空けばすぐにでも忘れます。試しに初めて受けたテストでも、英語に慣れていないがために知らぬ間にスコアキャンセルをしてしまうほどでした。
そんな私でしたが、先生には地道に音読から始め、品詞を確認し、一文一文の精読をしながら、単語テストをしてもらい、リスニング練習もしてもらいました。基礎的な知識を身に着け、英文にも慣れ始めたので自宅受験を試みましたが、結果は散々でした。友人たちが続々とスコアをパスする中、目標点に25点も足りません。特にリーディングとリスニングが酷く、受験する度に泥沼にはまっていく感覚でした。塾で出された宿題をきっちりやりますが、何かが足りません。いよいよ何とかならなくなってきました。
約半年が経った頃、塾で先生と英文を読んでいるときの説明は分かりやすく、すんなり腑に落ちるのになぜ自分一人でやるとつまずくのだろうと考え、私と先生の違いを探しました。単純に経験や知識量、読んでいる量など色々考えましたが、答えは意外にも授業内で見つかりました。読み方です。授業中に文章を読む先生は英語を英語として理解しており、私がやっていたようにいちいち文頭に戻って訳すことはしていませんでした。大発見です。
塾から帰ってすぐ真似をしました。もちろん最初はうまくいきません。ですが人間は慣れる生き物です。段々つかめてきます。リスニングでは先生に言われた通りにその場にいる感覚で喋っている人の真似をします。ライティングも毎週書いた甲斐もあって、最初は真っ赤だった添削箇所も数か所になりました。アウトプットができればインプットはそれほど難しくありません。慣れと余裕が生まれたことで、先生との会話もなぜその選択肢を選んだのか、というレベルにまで来ました。
入塾して、11ヶ月でついにあと3点まで来ました。あとは演習あるのみです。ネイティブになりきって勉強したリスニングとスピーキングの甲斐もあってか、1年たってついに目標点を3点上回ることができました。とても嬉しく思います。途中、私が挫折しそうになっても「やるしかない」と言って励ましてくれたり、様々な「気づき」を与えてくれたりした先生にはとても感謝しています。丁寧で的確なご指導ありがとうございました。